東欧のマラドーナ『ゲオルゲ・ハジ』

ゲオルゲ・ハジ

 今日のサッカー動画王は、東欧のマラドーナと呼ばれ、90年代の世界を代表する司令塔、ルーマニアの『ゲオルゲ・ハジ』だ。
誰が見てもピッチの上で明らかに一番上手いとすぐわかる、圧倒的な技巧とキックを持つNo.10だ。

今でこそ、スイスやデンマークが力をつけてきているが、90年代のヨーロッパで大国以外に注目されていたのは、このハジが率いるルーマニアだった。90年イタリアワールドカップ、94年アメリカワールドカップに連続出場し、いずれの大会でも大会を代表する選手として賞賛を浴びた。特にアメリカ大会では、史上に残るドライブシュートを決め、専門誌の選ぶ大会MVPにも選ばれる等、その技術が世界の頂点にあることを示した。母国ルーマニアでの人気は大変なもので、ハジを大統領に、との声もある程だ。

そのハジの超絶テクニックは、魔法の左足から生まれる。マラドーナの他にもここまでの左足を持った選手がいるとは、驚き以外の何ものでもない。その左足は、単にテクニックがあるというレベル等ではなく、キック力、精度、スピード、フェイント、ドリブル、あらゆる面で掛け値なしの才能を見せつけた。例えて言うならば、ロベルト・カルロスのキック力と、アンドレア・ピルロの精度、ロナウジーニョの切れ味を持っているかの様だった。

シュートだけでなく、ドリブルでも間合いとタイミングを完璧にコントロールすることができたため、緩急をつけて相手DFを置き去りにすることができた。とにかく、ハジを見ていれば必ず魔法が起きる、と信じることができる夢の選手だった。
本当にトップレベルの選手はボールだけでなく他の選手までコントロールすることができるものだが、ハジは数少ないそのレベルの選手で、ルーマニアの最大の武器であった超速カウンターは、ハジの生み出すイマジネーションによって演出されていた。

あらゆる事を可能とする左足だけでなく、広い視野と敵味方をコントロールする戦術眼を持っていたため、ピッチをいっぱいに使ったロングパスやサイドチェンジ、味方だけでなく敵まで思う通りに動かすパスワーク等、組織としても機能していた。いや、ハジ自身が組織を作っていたと言っても過言ではない。

得意の超絶テクニックであるドライブシュートループシュートは史上最高レベルにあり、その急激なボールの変化は無回転シュートを放つジュニーニョ・ペルナンブカーノ並みだ。下記のサッカー動画で堪能して欲しい。不思議と、右足のシュートの精度も高く、左足を警戒する相手選手をあざわらうかの様に、右足でゴールを決める事も多かったことを付け加えておく。

ハジの様な選手を見ると、サッカーの美しさ、楽しさにあらためて触れることができる。
何も難しいことはない、サッカーとはこうやればいいんだというレッスンを与えてくれるかの様だ。
世紀の10番のプレーをじっくりと楽しんで欲しい。


『ゲオルゲ・ハジ』サッカー動画 超絶テクニック by YouTube


目を見張る!これがゲオルゲ・ハジだ!


ルーマニア代表がW杯で見せた伝説のカウンター!


すばらしい!とにかくハジはすごすぎる

『ゲオルゲ・ハジ』選手データ by Wikipedia


所属クラブ

* 1982年-'83年 - ファルル・コンスタンツァ(ルーマニア)18試合17得点
* 1983年-'86年 - スポルトゥル・ストゥデンツェスク(ルーマニア)108試合58得点
* 1986年-'90年 - ステアウア・ブカレストルーマニア)97試合76得点
* 1990年-'92年 - レアルマドリード(スペイン)64試合19得点
* 1992年-'94年 - ブレッシア(イタリア)60試合14得点
* 1994年-'96年 - FCバルセロナ(スペイン)36試合7得点
* 1996年-2001年 - ガラタサライ(トルコ) 167試合78得点


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