バッジョの後継者『アンドレア・ピルロ』
ますます好調のサッカー動画王、今日取り上げるのはイタリア代表の頭脳にして、あの『ロベルト・バッジョ』の後継者に最もふさわしいとバッジョ本人が認めている『アンドレア・ピルロ』だ。
ACミランとイタリア代表・アズーリの中盤の底からチームを操るコンダクターだ。
元々トップ下の選手で攻撃的なセンスを注目されていたが、線が細く、イタリアの厳しい守備の中で思う様に結果を残すことができないでいた。
しかし、ACミランに移籍後、トップ下からボランチの位置にポジションを異動すると、その才能が瞬く間に開花。プレッシャーが弱くなったことで、ピルロの持つ視野の広さやキックの多彩さ正確さ、判断の速さといった天の才が輝くことになった。
見た目が華奢であることと、どこかアンニュイな容姿、そして何よりその華麗なプレーぶりから、バッジョの後継者とされている。ポジションは異なるのに、バッジョ本人が最も似ていると認めていることからも、ピルロの魔法の才能が本物であることがわかる。
超絶テクニック解説では、そのキックの正確さと柔らかさをあげたい。バルセロナの頭脳『シャビ』や、世界最高の司令塔『ジネディーヌ・ジダン』、アルゼンチンの10番『リケルメ』と同レベルの視野の広さと判断の速さを生かし、正確でかつ柔らかいボールを送り込むことができる。
特徴的なのはその蹴り方で、ほとんどがインフロントキック1本で行われる。通常、こういったレジスタ(操る人の意)タイプは、アウトサイドキックやインサイドキックを多用するものだが、ピルロはインフロントで柔らかい浮き球パスを送ることが多い。柔らかいボールは当然カットされやすいのだが、ピルロの場合、敵味方のポジションや身体の向きやタイミングを全て計算して送り込むので、インターセプトされることは滅多に無い。
日本では『小野伸二』が『エンジェルパス』と呼ばれる柔らかいパスを得意にしているが、ピルロのそれは『天使の羽根』か『シルク』の様に柔らかで、かつ美しい。
アテネオリンピックで、お互いオーバーエイジとしてU23代表に参加したピルロと小野が対戦したが、小野のパスが仲間を鼓舞する様な勢いが含まれていたのに対して、ピルロのそれはひたすら柔らかく、美しかった。
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また、フリーキックも超絶テクニックと呼ぶにふさわしく、柔らかいコントロールショットだけでなく、世界で数人しか蹴ることができない魔球『無回転ボール』を蹴ることができる。
ACミランやイタリア代表で数多くのFKを決めており、その美しさと決定力のコントラストがバッジョ同様にイタリア人の心をしびれさせている。
先の2006年ドイツワールドカップでは、チームの中心として、MVP級の大活躍を見せたことは記憶に新しい。単にボールを回す司令塔ではなく、自ら味方選手の元へボールをもらいにいく姿勢が何よりも美しく感動を覚え、評価されていた。この大会でバッジョの様に、伝説に残る真の偉大なプレイヤーになったと言えるだろう。
『アンドレア・ピルロ』動画集( powered by YouTube)
『アンドレア・ピルロ』データ集(Powered by Wikipedia)
代表での実績
A代表初出場は2002年9月7日のアゼルバイジャン戦。その後は代表に定着し、EURO2004にも出場を果たしている。アテネオリンピックにはオーバーエイジとして出場し、チームを銅メダル獲得に導いた。
所属チーム
* ブレシア(1994〜98)
* インテル(1998〜99)
* レッジーナ(99〜00)
* インテル(2000〜01)
* ブレシア(2001)
* ACミラン(2001〜)