怪物『ロナウド』
さあいよいよ登場、今日のサッカー動画王は、ブラジルとレアルマドリードのエース、フェノメノ(怪物)『ロナウド』だ。言わずもがなの世界を代表するスーパースターで、ここ12年間、世界最高の選手の一人として君臨し続けている。
在籍したチームのほとんどで得点王を獲得しており、オランダリーグ、スペインリーグ、はたまたワールドカップでは2006年ドイツワールドカップでドイツの伝説的FW『ゲルト・ミュラー』を抜き、史上最多得点(15得点)を記録している。
ロナウドの超絶テクニックは、まずそのシュートの正確性にある。左右両足で正確にキックを蹴れる選手というのは意外な程少ないものなのだが、このロナウドは左右の足で全く同様にキックを蹴ることができる。ここまで左右を苦もなく使い分ける選手は世界史上最高のプレーヤー『ペレ』しかいないと言われている。(ちなみに、左右で蹴れるという点では、日本の小野伸二も世界トップレベルにある。また、かつてガンバ大阪でプレーした磯貝洋光は、なんと左右両足でフリーキックを決められるというワールドクラスの技術を持っていた。左右で蹴れるというのは日本サッカーが世界に誇れる特徴だ。)
ロナウドは鋭いフェイントで瞬間的にDFをかわしたり、高速ドリブルで長距離を走った後でも、そのシュートがぶれない点がすばらしい。しかも、GKが最も取りづらいと言われている、左右の下角を必ず狙い撃ちすることができる。
必ずそこを正確に狙ってくるので、逆に見ていて驚きがなくてつまらなく感じることもある程なのだが、単純に最もゴールになる可能性が高いコースに蹴る、という極めてシンプルな考えに基づくものなのだろう。このシンプルさが、ロナウドを世界最高のゴールゲッターたらしめている要素だとも言える。
そして、ロナウドの超絶テクニックといえば、おなじみの『シザース・フェイント(またぎフェイント)』もある。
日本でも『カズ』が得意としていたことで同じみのこの技は、世界でも数多くの選手が用いるが、ロナウドのそれは世界市場最高のキレを持つといっても過言ではないだろう。
見れば誰もが納得する程、そのフェイントフォームが美しすぎる。右、左、のステップとボールが細かく左右に意志をもった生き物の様に動く様は、さながら蝶が舞っているかの様だ。かつて、アメリカの英雄ボクサー『モハメド・アリ』が『蝶の様に舞い、蜂の様に刺す』と言われたものだが、ロナウドも同様の美しさを感じさせる。
このフェイントの秘密は、単にボールをまたぐだけでなく、一旦左にステップを踏む時は、右足でボールを左にちょっとだけ動かしていることにある。ステップを踏んだ左足をふんばり、右足で内側から外側にボールをまたぐのだが、その際に、ボールが左にうごいているので、ボールとまたぐ右足の動きが逆向きになり、フェイントにひっかかりやすくなる。そして、次に左足でボールを押し出す際も、ボールが同じ方向に動いているので押し出しやすい。
この単純で小さなトリックにより、ロナウドのシザースフェイントは最高の切れ味を実現しているのだ。
世界最高のFWだけあって、他にも超絶テクニックがある。それはボディバランスだ。かつて若い頃はドリブルが得意だったロナウドを支えていたのは、上記のフェイントだけでなく、このボディバランスだった。強靭な体とバランスで、少々どころか反則まがいのチャージを受けても倒れず突破をはかることができた。現在でいえば、フィーゴやジダン等も同様のフィジカルコンタクトの強さを武器にしており、テクニックがある選手にボディバランスまでつくと、どれだけすばらしい選手になるかがよくわかる。
さらに忘れてはならない超絶テクニックがもうひとつ。それは、瞬間的、いや長時間に渡る爆発的なスピードだ。欧州のフィジカルに優れたアスリートをものともしない、圧倒的な瞬発力により、上記フェイントやボディバランスの力を何倍にも増してロナウドは突き進むことができる。バルセロナでの伝説的な50m突破ゴールを決めた際は『マラドーナより止められない』とまで言われた。フランスの『ティエリ・アンリ』、ウクライナの『シェフチェンコ』と並んで破壊力世界No.1と言える。
最後にもうひとつ超絶テクニックを。それは、ボールタッチのシンプルさとクレバーさだ。かつて、ブラジル代表の先輩で尊敬する『ロマーリオ』と『Ro-Roコンビ』を結成して、世界最高のマジックデュオと呼ばれた様に、仲間とのコンビネーションでも卓越したセンスを見せる。幼い頃からフットサルで鍛えられているため、狭いスペースでのボールのやり取りも得意とし、まるでバレーボールを使って蹴っているかの様に簡単にピンポンパンと味方とワンツーパス等のコンビネーションを見せることができる。
17歳でワールドカップ優勝を経験し、その後も自らの力で再度ワールドカップを手にしたスーパースター。ブラジルが誇り、世界が愛するこの選手のスーパープレーを楽しんで欲しい。
本名 ロナウド・ルイス・ナザリオ・デ・リマ
愛称 怪物、フェノーメノ(フェノメノ)
カタカナ
ラテン文字表記 Ronaldo Luís Nazário de Lima
基本情報
国籍 スペイン,ブラジル
(二重国籍)
誕生日 1976年9月22日
出身地 ブラジルイタグアイ
身長 183cm
体重 90.5kg
選手情報
在籍チーム レアル・マドリードCF
ポジション FW
背番号 9
代表歴
キャップ 97
得点/失点 61
代表
* 代表デビュー 1994年3月24日 アルゼンチン代表戦
* 1994 FIFAワールドカップ・アメリカ大会 - 優勝(出場機会は無し)
* 1996年 アトランタオリンピック - 3位(銅メダル)
* 1998 FIFAワールドカップ・フランス大会 - 準優勝・MVP
* 2002 FIFAワールドカップ・日韓大会 - 優勝・得点王(8得点)
* 2006 FIFAワールドカップ・ドイツ大会 - ベスト8
o この大会で3得点を挙げ、ゲルト・ミューラー(14得点)を抜きワールドカップ通算得点歴代1位(15得点)になるクラブ
* 1996-97 UEFAカップウィナーズカップ - 優勝 (FCバルセロナ)
* 1997-98 UEFAカップ - 優勝 (FCインテル・ミラノ)
* 2002-03 トヨタ ヨーロッパ/サウスアメリカ カップ- 優勝 (レアル・マドリードCF)
* 2002-03 リーガ・エスパニョーラ - 優勝 (レアル・マドリードCF)
主要な個人タイトル
* 1996年 - FIFA最優秀選手賞受賞
* 1997年 - FIFA最優秀選手賞受賞、バロンドール受賞
* 2002年 - FIFA最優秀選手賞受賞、バロンドール受賞リーグ
* 1994-1995 オランダリーグ得点王(33試合30得点)
* 1996-1997 スペインリーグ得点王(37試合34得点)
* 2003-2004 スペインリーグ得点王(32試合24得点)代表
* 2002年 FIFAワールドカップ 得点王(7試合8得点)
所属チーム
* 89-91 ソシアル・ラモス(ブラジル)
* 91-93 サンクリストバン(ブラジル)
* 93-94 クルゼイロEC(ブラジル)
* 94-96 PSVアイントホーフェン(オランダ)
* 96-97 FCバルセロナ(スペイン)
* 97-02 FCインテル・ミラノ(イタリア)
* 02- レアル・マドリード (スペイン)