リベリアの怪人『ジョージ・ウェア』
今日のサッカー動画王はアフリカのすごさを世界に知らしめたリベリアの英雄『ジョージ・ウェア』だ。フランスはASモナコでかのアーセン・ヴェンゲル監督に見初められ活躍を始めると、パリSGを経て、ついにはイタリアのＡＣミランに移籍。ファンバステンの後継者という世界一困難なミッションを見事に果たし、史上初の欧州選手以外での欧州最優秀選手（バロン・ドール）獲得を果たした。FIFA世界最優秀選手も同年の95年に獲得。前年の受賞者がロマーリオで翌年がロナウドということからわかる様に、真のワールドクラスであることを世界に示した。
ウェアの超絶テクニックは一言で言ってしまえば身体能力ということに尽きるのだが、一人だけ違う筋肉でできているかのごとくその能力はケタ外れだ。下記のサッカー動画で見てもらえばわかるが、動作がゆっくりしている様に見えて、他の選手と比較すると圧倒的に速い。速すぎるのだ。しかも、単に速いのではなく、相手のチャージをものともしない力強さとボディバランスを兼ね備え、なおかつボールテクニックに柔らかなものを持っているため、どれだけ激しくあたっても、ボールを失ったり倒れることがほとんどない。あの組織的サッカーで知られるミランがウェアに渡して終わり的なゴールをいくつもあげていることからもその超絶ぶりがわかる。
ウェアが、他の身体能力だけはすごい選手と一線を画しているのは、その決定力の高さだ。ゴール前まで突き進んだはいいが、キーパーにあっさり飛びつかれてしまったり、シュートミスをしてしまう選手は多い。しかし、ウェアはもともとGKからキャリアをスタートしてこともあってか、相手の動きを良く見て、GKにあたらない位置にボールを蹴り込むのが非常に上手かった。必ずしもゴールの角を狙っている訳ではないのだが、とにかくGKに当たりさえしなければ枠に蹴ったボールはゴールに吸い込まれる、という単純な摂理を見事に実現していたと言える。相手GKの出鼻をくじく様なアウトサイドキック、もしくはトゥキックに近い様なゴールを得意としており、ドリブルをしながらそのままドリブルのストライドが大きくなってゴールが入ってしまったかの様なシュートを決めることが多かった。これは非常に高度な技術で、実戦で結果を残しているのは世界でもロマーリオやロナウドくらいしかいないと思われる。
同様に、ウェアは相手DFの動きやタイミングを見切る能力にも長けているため、相手の裏に大きくボールを蹴り出して抜いて行くデヤン・サビチェビッチの様なドリブルも得意としていた。自陣ゴール前からずっと一人でドリブルをしてゴールを決めた伝説のゴールを下記のサッカー動画で確認して欲しい。そこいらの草サッカーの出来事ではなく、世界一守備の固いセリエAでのゴールなのだ。唖然とさせられる。個人での突破能力という点では、マラドーナ以降、あのルート・フリット（グーリット）、ロナウド、サビチェビッチ、シェフチェンコ、アンリ等と並んで世界トップにあると言えるだろう。
さらには、ヘッドやボレーシュート等のアクロバティックなゴールもアフリカン選手ならではの豪快さで得意としており、怪人というニックネームが大げさではない程、何から何まですばらしい選手だった。リベリア、そしてアフリカの英雄の驚異的なスーパープレーを楽しんで欲しい。
□『ジョージ・ウェア』サッカー動画 超絶テクニック by YouTube
本名 ジョージ・マネー・オポング・ウスマン・ウェア
愛称 リベリアの怪人
カタカナ
ラテン文字表記 George Manneh Oppong Ousman WEAH
基本情報
国籍 リベリア
誕生日 1966年10月1日
出身地 モンロビア
身長 185cm
体重 82kg
選手情報
ポジション FW、MF、DF
代表歴
キャップ 65
得点/失点 10
所属クラブ
* ヤング・サバイバーズ（リベリア）1981-1983
* ボンラン・カンパニー（リベリア）1983-
* マイティ・バロール（リベリア）1984
* インビンシブル・イレブン（リベリア）1985-1987
* トネール・ヤウンデ（カメルーン）1987-1988
* ASモナコ（フランス）1988-1992
* パリ・サンジェルマン（フランス）1992-1995
* ACミラン（イタリア）1995-2000
* チェルシーFC（イングランド）2000
* マンチェスター・シティ（イングランド）2000-2001
* オリンピック・マルセイユ（フランス）2000-2001
* アル・ジャジーラ（UAE）2001-2003
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