悪童『ロマーリオ』

ロマーリオ

バッジョに続いてサッカー動画王がお送りするのは、94年ワールドカップでライバルとして優勝を果たした天才『ロマーリオ』。

ブラジルのエースとして、90年、94年のワールドカップに出場。94年は5得点を上げ優勝の原動力となり、大会最優秀選手に選ばれた。同年、FIFAの選定する世界最優秀選手にも選ばれている。98年は『ロナウド』と史上最高のFWデュオ『RoRoコンビ』を結成し、連続出場が期待されたが、怪我で出場を逃している。

ニックネームは『悪童』、『異才』、『子猫』、『天才』等。自由奔放で監督やチームのルールに平気で背き、練習態度も良くないことから悪童呼ばわりされていた。
だが、一度ボールを持つと彼は紛れもない『天才』だ。かのサッカー史上に残るスーパースター『ヨハン・クライフ』が『天才』と認めており、監督を務める『バルセロナ』のエースとして、リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)の優勝と得点王を得ている。

プレースタイルも『異才』そのもの。FWとして最高レベルの得点能力を持ち、ブラジル代表の歴代2位となる得点をあげているものの(1位『ペレ』、3位『ジーコ』)、強烈なシュートや圧倒的なフィジカル能力があるわけではない。
ロマーリオの超絶テクニックは、ゴールキーパーの間合いやタイミングをずらすことに天才的な才能を発揮するので、シュートはゴロゴロかふわっとしたものばかりである。


典型的なロマーリオゴールは2種類。

  1. 敵ゴールに向かって左サイドを突き進み、GKが飛び出て来た所を、右足アウトサイドキックでGKの左脇を抜く
  2. 浮き球をコントロールして敵DFをかわすと、間髪いれずループシュートを放ち、GKの頭上を抜く


いずれもシュート自体は弱々しいのだが、エッ、というタイミングで打ってくるため、防ぐことはできない。
GKを無力化する、という他の誰も持っていない才能を持つ男だ。


また、ロマーリオは更に2つの特徴を持つ。

  1. 身長が低い(166cm)にも関わらず、ヘディングが滅法強い
  2. 低い重心から、『子猫』の様な爆発的なスタートダッシュでDFを置き去りにする


この特徴が世界に示されたのが、94年のワールドカップスウェーデン戦。
予選リーグで対戦した際は、爆発的なスタートダッシュを発揮し、守備に定評のあるスゥェーデンDFを3、4人引き連れながら追いつかせず、あっさりゴールを奪った。
そして、準決勝では、世界指折りの平均身長を誇る巨人DFに囲まれながら、なんと約20cmも小さいにも関わらずヘディングでゴールを奪ってみせたのである。

小さくてヘディングが強く、爆発的なダッシュの後にゆるゆるシュート。
この不思議な能力こそが、ローマリオを天才たらしめているのだ。


ロマーリオの異才を見よ!