ミラノの皇帝『アドリアーノ』

アドリアーノ

 ワールドカップも佳境の今、サッカー動画王がお送りするのは、ブラジル代表とインテルのエースFW、皇帝の異名を取る『アドリアーノ』だ。
従来、皇帝とはドイツの『フランツ・ベッケンバウアー』が命名されたものであり、ベッケンバウアーの後を次ぐバラック等のドイツ人に付けられる名前だった。これは『カイザー』である。
それに対して、アドリアーノの皇帝はイタリアで付けられたものであり、『インペラトーレ』と呼ばれる。ローマ帝国を築き上げたイタリアによって命名されたブラジル人の皇帝。そのすさまじいプレーにはただただ感嘆するばかりである。 


アドリアーノは当初イタリアのインテルと契約したが、間もなくフィオレンティーナパルマにレンタルで出されることになる。インテルに世界になだたるFWがいたこともあるが、いわゆるヨーロッパの水に馴染まなかったのが原因だ。
だが、このレンタル先で知将『プランデッリ』と出会い、彼のサッカー人生は大きな転機を迎える。
アドリアーノは確かにすばらしいキック力やテクニックを持っていたが、左足しか使わずプレーもワンパターンであったため、最初こそ活躍できたものの、セリエAの海千山千DF達はすぐに彼の癖を見抜き得意の左足でプレーさせない様にすることで簡単に封じることができる様になった。

そんなスランプの中、プランデッリの厳しいトレーニングが始まった。左足を得意とするアドリアーノはどうしても左サイドに寄りがちだったのだが、なんとプランデッリはコートの右サイドにラインを引き、ここから出るなと言ったのだ。
1歩でもラインを超えて得意なエリアに入るとすぐに練習を止め注意する。仲間全員が一緒に練習している中で、こういった罰は非常に屈辱的である。さらに、ワンタッチツータッチでプレーするという厳しい制限を設け、ここでもそれ以上のタッチをするとすぐに練習を止め注意するという厳しいルールを科した。

始めは苦手なエリアでシンプルなプレーをすることになれず大変な思いをしたアドリアーノであったが、じょじょにその練習に慣れると、不思議と実戦でも結果が出る様になり、実力を発揮できる様になってきた。
苦手な右サイドでシンプルにプレーすることで幅が広がり、かつ右サイドは実は左足キッカーにはシュートが狙いやすいエリアのため、苦手ゾーンが得意ゾーンに変わって来たのだ。


シンプルにプレーすることで、激しいDFのチェックをかわせる様になったアドリアーノにもう敵はいなかった。
彼の超絶テクニックの第一の特徴である世界最高峰のキャノンシュートを幾度となくセリエAでぶちこんだのである。
元々189cm87Kgという圧倒的なフィジカル能力とブラジル人特有の柔らかいテクニックを持っていたこともあり、ちょっとやそっとの守備では防ぐ事のできないスーパープレーヤーが誕生したのである。
世界最高峰のDFでありイタリアACミランのキャプテンである『パオロ・マルディーニ』は、アドリアーノに左足でボールを持たせたら駄目だとまで言っている。



ブラジル人にしては珍しくヘディングとロングシュートという武器を持ち、恵まれた体躯を生かしたポストプレーもできるため、ブラジル代表でもロナウドと並んでエース級の位置にまで上り詰めた。
皇帝(インペラトーレ)の名にふさわしい驚異的なシュートとパワー。柔らかなテクニックとスピード。厳しい練習の末に上り詰めた謙虚で偉大な男のプレーを見よ!


アドリアーノ』サッカー動画王 超絶テクニック by YouTube


インテルの皇帝のプレーを見よ!

皇帝の世界最強シュートを見よ!

セレソンのエースストライカーの力を見よ!

アドリアーノ』データ集 by wikipedia


* フラメンゴ(ブラジル) 1999-2001
* FCインテル(イタリア) 2001-2002
* フィオレンティーナ(イタリア) 2002
* ACパルマ(イタリア) 2002-2004
* FCインテル(イタリア) 2004-