キング『エリック・カントナ』

エリック・カントナ

ますます加速するサッカー動画王が取り上げるのは、キング『エリック・カントナ』。フランスが生み、イングランドの英雄となった男だ。
プラティニ以降、ジダン前のフランスを支えたのはこの男である。

イングランドのトップチーム『マンチェスター・ユナイテッド』の王様として君臨していたカントナは、その圧倒的な才能と同じく物議を醸し出す性格により、常に話題の中心だった。ある時はブラジル人でもできない様な華麗なゴールを決めたり、ある時はサポーターに飛び蹴りをしたり。
プレーでもプライベートでも常人の想像を超える創造性を発揮し続けた紛れも無いフットボールアーティスト、いや、人間としてのアーティストである。

彼の超絶テクニックは、その恵まれた体躯とファンタジー溢れる創造性に依る。身体能力は激しいイングランドプレミアリーグでも圧倒的なものだったが、それに加えて、欧州の選手とは思えない様な柔らかなテクニックと、強烈なパンチ力を持ち合わせていた。欧州の選手と南米の選手を重ね合わせた様な希有な存在で、彼の様なゴールを決めることができる選手はいまだ現れていない。強いて言えばイングランドの至宝『ウェイン・ルーニー』が更に経験を積めば近づくことができるかもしれない。

スペースを的確に見極めスピードに乗りつつも視野を確保したドリブル、『ペレ』のごとくコブラの様に強いヘッド、左右両足からのキャノンシュート、そして時間が止まったかの様に感じるループシュート。全てがすばらしく美しい。
中でも浮いたボールを直接ボレーで放つドライブシュートは天下一品であり、世界にも並ぶ者はいないのではないかと思われる。


カントナは、あのスーパースター『ベッカム』や闘将『ロイ・キーン』の先輩にあたり、マンチェスター・ユナイテッドの黄金時代を築いた。
代表でも中心となって活躍したが、94年アメリカワールドカップではまさかの予選落ちとなり、98年にはジネディーヌ・ジダンを中心とすることを決めたため、代表に選出されず、大きなタイトルには恵まれなかった。
しかし、タイトルうんぬんではない魅力がカントナにはあり、誰もがそのプレーに畏敬の念を覚えたものだ。ピンとユニフォームの襟を立ててプレーする姿は王に相応しく、『エリック・ザ・キング』と呼ばれ、英国全土から崇拝された。

ちなみに、Nike社のCMに登場するあの髭のおじさんがこのエリック・カントナである。
ただの親父と思うなかれ、そのプレーを見るや、王様の称号に偽りがないことがわかるはずだ!
ベッカムを従え、英国を制覇し、ジダンに椅子を引き継いだ男、カントナ。永遠のヒーローの姿を見るがいい。

エリック・カントナ』サッカー動画王 超絶テクニック by YouTube


エリック・ザ・キングのプレーを見よ!


呆然! これが王様のプレーだ!


カントナはボールに愛された王だ!

エリック・カントナ』データ集 by wikipedia


語録

* 「世間では普通と違う人間を異常と呼ぶ。私はそう呼ばれることを誇りに思っている。」
* 「チームなんてどうでもいい、俺が目立てばいいんだ!」
* 「俺の墓石には、どんな言葉も刻んで欲しくない。まっさらな石のままでいい。俺という人間をいつまでも大きな謎につつんでおきたいんだ!」
* 「俺がボスだ!」
* 「監督やチームメイトが何を言おうが関係ないね。興味がわかないんだ。」
* 「フットボールで最も重要なのは、集団として何をするかだ。個人として注目を浴びたいなら、私はテニスをやる。あるいは素敵な女性をパートナーにして混合ダブルスをやる。」
* 「私はサッカーに対する情熱を失ってしまいました。今までありがとう!」(引退会見にて)


所属クラブ

* AJオセール(フランス)1981-1985
* FCマルティーグ(フランス)1985-1986
* AJオセール(フランス)1986-1988
* オリンピック・マルセイユ(フランス)1988-1989
* FCボルドー(フランス)1989
* モンペリエHSC(フランス)1989-1990
* オリンピック・マルセイユ(フランス)1990-1991
* ニーム・オリンピック(フランス)1991
* リーズ・ユナイテッドイングランド)1992
* マンチェスター・ユナイテッドイングランド)1992-1997