飛行機『ヴィツェンツォ・モンテッラ』
さあ週も新たにサッカー動画王がお送りするのは、イタリアの得点製造機『ヴィツェンツォ・モンテッラ』だ。
ASローマで中田英寿とチームメートだったため、日本でも良く知られているこの選手は、圧倒的な実績を誇るわけではないが、その実、得点能力というFWに最も必要とされる能力においては、同時代のイタリアを代表するビエリ、インザーギ、デルピエロ等と比較しても、むしろ勝っているとも言えるスーパーな選手だ。
172cm、68Kgという日本人としても小柄な部類に入る体格でありながら、世界で最も厳しいセリエAで最も警戒される選手の一人である。
その最大の武器であるゴールへの嗅覚はすさまじく、こぼれ球に誰よりも早く反応することができる。同国でいえばインザーギ、日本でいえば武田修宏や佐藤寿人の様なプレーヤーだ。中田英寿のベストマッチの一つとされるユヴェントス戦での伝説の『ヨッシャー』キャノンシュートのこぼれ球を押し込み、奇跡の同点劇を成し遂げたのが他ならぬこのモンテッラだ。あの中田のすさまじいシュートに誰もが見入っていた中、ひとりだけGKがはじく可能性に賭け、見事空中ボレーシュートでこぼれ玉をダイレクトに押し込んだ。あのこぼれ玉は正確にはこぼれてすらおらず、GKの防ぎ方としては悪くなかったのだが、ほんの一瞬、はじかれたボールを瞬間的に反応して叩き込んだモンテッラがすばらしかった。バレーボールのブロックの様に、バン→バンといった感じで、間髪入れずに打ち込んだ見事なゴールだった。このゴールへの嗅覚がモンテッラの超絶テクニックだ。
さらに、中田英寿が、トッティやエメルソン等の錚々たるチームメートを差し置いて『ローマで一番上手い』と言ったと言われている様に、左足でのテクニックに極めて高いものを持っている。この点が単なる嗅覚屋と一線を画すところだ。ボールコントロールだけでなく、シュート技術にも優れているため、通常のFWならば狙えない様な位置、コースからでもゴールを決めることができた。シュート技術においては、同時期に活躍したレアルマドリーの大エース（現テクニカルディレクター）、プレドラグ・ミヤトビッチ級に欧州トップレベルにあるのではないだろうか。そのすばらしさを、下記のサッカー動画で是非確認して欲しい。
モンテッラは、ローマではスーパーサブ的に途中出場のことが多いのだが、それでもセリエA計、179試合83ゴールというすさまじい率（54.7%）でゴールを決めている。出場時間を考慮すると、この率はセリエAでもトップレベルにあると思われる。
抜け目のなさやゴール前での落ち着きにおいて世界に名だたるイタリアにおいて、その中でも最高級のゴールセンスを持つ男。モンテッラ。ゴールシーンに必ず見せる飛行機ポーズとその見事なゴールシーンを堪能して欲しい。
□『ヴィツェンツォ・モンテッラ』サッカー動画 超絶テクニック by YouTube
『ヴィツェンツォ・モンテッラ』選手データ by Wikipedia
愛称 小型飛行機、トップガン
カタカナ ヴィンツェンツォ・モンテッラ
ラテン文字表記 Vincenzo MONTELLA
基本情報
国籍 イタリア
誕生日 1974年6月18日
出身地 ポミリアーノ・ダルコ
身長 172cm
体重 68kg
選手情報
在籍チーム ASローマ
ポジション CF
背番号 9
利き足 左
代表歴
キャップ 18
得点/失点 3
所属クラブ
* エンポリFC(イタリア) 1990-1995 33試合 (22ゴール)
* ジェノア(イタリア) 1995-1996 34試合 (21ゴール)
* サンプドリア(イタリア) 1996-1999 83試合 (54ゴール)
* ASローマ(イタリア) 1999- 179試合 (83ゴール)セリエA計：329試合（180ゴール）54.7％
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