和製ロナウド『森本貴幸』

森本貴幸

 日も元気にサッカー動画王がお送りするのは、日本が2010年に期待するこの選手。和製ロナウドの異名を取る『森本貴幸』だ。

森本は、Jリーグ史上最年少となる15歳中学生としてデビューし話題になると、史上最年少ゴールを15歳11ヶ月で決め、一躍時の人となった。決して選手層が厚くはないヴェルディだったからという見方もあるが、監督をしていたのは、アルゼンチン代表としてワールドカップ優勝を果たしイングランドでも大活躍して欧州でも名高いあの名将アルディレスだったため、実力が正当に評価されてのものだと言える。ちなみに、アルディレスは、中村俊輔がまだサブだった際に、その才能を見抜いていち早くトップチームでプレーさせた慧眼を持っている。

 本は、その風貌と本人の憧れもあって、『和製ロナウド』の渾名を持つ。そのプレーは決して名前先行ではなく、本当にロナウドを彷彿とさせるものだ。例えばそのスピード。180cm76kgという全盛期のロナウドとほぼ同じ体型で、見事な初速とダッシュ持久力を持つ。ロナウドは単に瞬間的な爆発力がすごいだけでなく、その爆発力を持続させられる点が怪物であると評価されているが、森本もロナウドと同じ様に爆発力をキープし続けることができる。ロナウドのプレーを見ていると、相手をかわしたりぶっちぎるケースも多いが、しつこく相手につきまとわれ何度も仕切り直してターンやフェイントを繰り返ししかけるシーンも多い。これは、一発で抜けないから大したことないのではなく、何度も仕切り直せる爆発力の持続がすばらしいと評価される特異な能力だ。トップ選手でもそう何度も仕切り直せるわけではないが、森本はこの点においてロナウドを追いかける資格を持っていると言える。

 また、ロナウドの超絶テクニックといえばやはりシザースフェイントだが、森本も同様にこの技をかなりの完成度で身につけている。他の選手のシザースロナウドシザースが一線を画していたのは、その切れ味はもちろんのこと、ボールを転がし押し出すリズムとターンにある特徴があったからだ。それは、以前ロナウドを紹介した際にも触れたが、ボールをまたぐ足と反対方向の斜め前方にボールを押し出してその方向にステップを踏んでからからシザースをかけるというコツだ。その押し出しと同時に両足を押し出し方向(またぎと逆方向)にステップすることで、一回目のまたぎを非常に鋭角的かつ効果的(だましやすい)にしている。ロナウドシザースを見ると、必ずまたぐ前にその反対斜め方向にボールをクッと押し出しているので、確認して欲しい。
このキレとコツを見事に森本は身につけている。天性のセンスか研究心か。いずれにせよ歴戦のJリーガーを15歳でキリキリ舞させたそのシザースは今後ますます鋭いものになっていくはずだ。

 さらに、ロナウドの特徴であるフィジカルコンタクトの強さにも、森本はいいものを持っている。76kgと日本選手としては体重は重い方で、何より当たりをこわがっていない。ぶつかって当たり前、競って当たり前、その中でなんとかボールをコントロールしてねじ込むという気概を持っている。これは従来の日本人選手にはなかった特徴だ。

 山や伊藤翔といった、和製クライファート、和製アンリと2トップを組み、早く日本のFW陣に活力をもたらして欲しい。今年から早くもイタリアセリエAでプレーすることになった森本の成長に期待したい。

□『森本貴幸』サッカー動画 超絶テクニック by YouTube



このキレ、このシュート、まさに和製ロナウド



このゴールへの嗅覚もすばらしい



この動きは本当にロナウドの様だ!



セリエAでの貴重な練習風景

『森本貴幸』選手データ by Wikipedia


カタカナ モリモト タカユキ
ラテン文字表記 MORIMOTO Takayuki
基本情報
国籍 日本
誕生日 1988年5月7日
出身地 神奈川県川崎市
身長 180cm
体重 76kg
選手情報
在籍チーム カターニア
ポジション FW
背番号 15


経歴

* 1995年-1998年 津田山SC
* 1998年-2001年 東京ヴェルディジュニア
* 2001年-2003年 東京ヴェルディジュニアユース
* 2003年-2006年7月 - 東京ヴェルディ1969
* 2006年8月- 現 在 - カルチョ・カターニア(東京Vより期限付き移籍


個人タイトル

* 2003年 - マンチェスターユナイテッドプレミアカップ2003ワールドファイナル MVP受賞
* 2004年 - 新人王